「自分のホンネに向き合ってこそ、お金の不安にも立ち向かえる」味岡倫歩【後編】

ディアメディア株式会社の代表取締役・味岡倫歩(あじおか・なほ)さんへのインタビュー。前編に続き、後編では、味岡さんが心掛けているという「感情」と「行動」を分類する思考術から、幸せなお金の使い方のヒントを学びます。

――味岡さんは、お金をどのように使いたいとお考えですか?

味岡氏:お金は循環させないと世の中が豊かにならないので、自分が貯め込むというよりは、社会を良くするために使いたいです。なので、とにかくたくさん稼ぎたいですね。もし会社が1兆円企業に成長すれば、従業員もたくさん雇えますし、新しいサービスの開発もできます。それが引いては幸せな世界につながるはずです。

――そう思うようになったきっかけとは?

味岡氏:フリーランスで稼げるようになったときに、ただお金を持っていてもしょうがないなと思ったんです。ある程度、生活防衛費や貯蓄に回したら、手元に残ったお金を世の中のために役立てたいなと。そこで、企業のPRサポートを続けながら、メディア向けの請求書・発注書を一元管理できるウェブサービスを展開する会社を立ち上げる資金にしようと思いました。ただ、お金がカツカツだったら、そこまで考えられる余裕はなかったと思います。<

――ちなみに、お金を使うにあたって気をつけていることはありますか?

味岡氏:例えば、プライベートで物を買うときも、投資にあたっても共通しているのですが、「『安いから買う』『高いから買わない』という選択をしない」と決めています。もちろんラインはありますが、ちょっと高いなと思っても、高いという理由だけで諦めることはしませんし、逆に安いから買うことはしません。それは「損をしないための行動」であって、損をしたと思うネガティブで不必要な感情に振り回される時間がもったいないなと。

――なるほど。確かに損得の感じ方は、自分の気持ちひとつで変わりますよね。

味岡氏:損しないかどうかにフォーカスすると、結局損をすることになる気がするんです。感情の無駄遣いが嫌なので、割引を待つのではなく、欲しいものは欲しいと思ったときに手に入れられるように、努力しようと心掛けています。

――では、「お金に関することを考えることが億劫だ」という人はどうしたらいいでしょうか?

味岡氏:マネーリテラシーは若いうちから養うに越したことはないと思います。ただ、単に金融の仕組みを学ぶだけではなく、お金をどう幸せに使っていくのかという思考とセットで勉強していくことをおすすめしたいです。

最近は、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」もかなり普及していますが、将来の備えだけではなく、節税の観点からもかなりメリットがある制度です。とりわけ会社員だと節税できる項目も少ないので見過ごしがちですが、節税は資産形成においてとても大事な観点です。節税の感度を高くする意味でも、iDeCoをはじめる価値はあると思います。

――確かに、意識的に節税に励んでいる人は少ないかもしれません。

味岡氏:税金にまつわる感度が高くなると、社会や政治に関心が向くことになるはずなので、ビジネスパーソンにとってプラスだと思います。若い頃から節税を意識しておくと、損得の話だけではなく、税金の仕組みや国の方針が見えてきます。それによって、お金に対するスタンスも変わってくると思うので、節税の知識を積極的に増やしてもらいたいですね。

――将来のお金について、不安に感じているばかりではなく、一歩踏み出すことが大事なのですね。

味岡氏:まずは、一度本気で「お金の不安を解消するためにどうしたらいいだろう」と考えた方がいいと思います。かくいう私もフリーランスになった頃は収入が安定するのか不安だらけでした。その不安を解消するためにどうしたらいいのか毎日考えていましたね。

――不安を解消するためには、何から見直せばいいでしょうか?

味岡氏:たとえば、嫌な気分になったり、気持ちが高揚したりしたとき、「いま私はなぜネガティブになったのか?なぜポジティブになったのか?」という問いを最初の一歩にしてみるのがいいと思います。「感じる」だけで終わりにするのではなく、もう一歩先を考えるようになると、自分の思考パターンが見えてくると思います。

――それがひいてはお金と向き合うことにつながると。

味岡氏:お金の不安を解消するには、まず自分自身の「感情」と「行動」を捉えることが大事です。人は感情と行動をごちゃ混ぜにしがちですが、まずは感情に向き合わないと行動は変えられません。感情がどう動くのかをきちんと把握しておかなければ、消費・浪費・貯蓄・投資といったお金に関連する行動もコントロールできません。

自問自答だけでは難しいかもれしれませんが、いろいろな人の話を聞くなどして、自分のホンネを探る時間を取ることが大事だと思います。お金に関することだけではなく、「人からこういうことをされて嫌だった」とか、「こういうものを見たり触れたりすると感情が揺さぶられる」といったことをまずは言語化してみること。日記などに書いてみてもいいかもしれません。まずは、はき出すことで「自分にとってお金はどんな価値があるものなのか」を客観視できるはずです。

味岡倫歩
ディアメディア株式会社代表取締役。スタートアップ企業、広報部門を持たない企業、新規事業などの広報部門の立ち上げ、機能改善、コンサルティングを請け負いながら、新規サービスの開発も手掛ける。インターネット関連企業、ハードウェアメーカー、スタートアップ全般、人材業界をメインにBtoB・BtoC問わず活動している。

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