まさかの離婚。シングルマザーの公的手当は?

(写真=Nanako Yamanaka/Shutterstock.com)

母子家庭にとって大きな心配事の一つに、「お金」のことが挙げられます。「1億総活躍社会」として女性の社会進出も進められていますが、やはり未だに女手一つで子どもを育てていくのは経済的負担が大きいのです。

事実、2015年に厚生労働省が発表した「ひとり親家庭等の現状について」によると、父子世帯の平均年間就労収入は360万円、母子世帯では平均181万円と、倍近い差があります。また、母子世帯の相対的貧困率は54.6%となっており、多くのシングルマザーが経済的に困っている状況がうかがえます。

しかし実はシングルマザーには公的な優遇制度が沢山あります。自分がどんな優遇制度を受けられるのか確認をしてみましょう。今回は、大まかに3つのカテゴリに分けて説明をしていきます。

子育てに対する給付金制度

まずは子育てに関する給付金制度について紹介します。まず重要なのが、児童扶養手当です。児童扶養手当は、18歳になって最初の3月31日を迎えるまでの児童を育てているひとり親等の世帯が受けられる給付金で、所得によって月額4万2,290円~9,980円の給付金が支給されます。

もう一つが児童手当です。こちらは一人親世帯に限った制度ではありませんが、0歳から中学校修了までの子どもを育てている世帯に給付されるお金で、1万〜1万5,000円の給付が受けられます。こちらも給付制限がありますが、基本的に所得が一定額以上の二人親世帯が制限を受けることになっています。

最後に特別児童扶養手当があります。こちらもひとり親世帯に限った制度ではなく、愛の手帳1~3度程度、身障手帳1~3級程度及び一部4級程度の障害を持つ子どもを養育している親が対象で、障害の程度によって、5万1,450円か3万4,270円が給付されます。

これらの制度は基本的な生活費や教育費等に使える給付金という側面があるので、条件に当てはまった場合はすぐに申請をするべきと言えます。

所得に関する控除制度

次に上げられるのが寡婦控除です。これは夫と死別や離婚等によって別れ、かつ子どもを育てている母親で、所得が500万円以下の人が受けられる控除で、一般の寡婦ならば27万円、特別の寡婦ならば35万円の控除が受けられます。なお、特別の寡婦とは上記3つ(夫と別離・子どもあり・所得500万円以下)の条件を全て満たす母親に限られます。こちらは年末調整の際に申告することで受けられます。

また、自治体によっては結婚歴のないひとり親を寡婦とみなし、寡婦控除のみなし適用として、自治体の施設などの利用料を減免する制度も整えられています。こちらの控除制度は、税金を抑えてくれる役割を果たします。

キャリアアップについての優遇制度

シングルマザーには、子育てだけでなくキャリアに関する支援制度も整えられています。今回は3つ紹介しますが、所得条件は全て同じで、ひとり親家庭の父母で児童扶養手当を受けているか、同等の所得水準にある人が受けられる制度となっています。

まずは自立支援教育訓練給付金です。これは、適職につくために当該の教育訓練が必要だと認められる場合に受けられます。対象の教育訓練を受講し、終了した場合、経費の60%が支給されます(20万円が上限)。対象の講座は介護福祉や看護、保育士関連、法律行政や情報処理など幅広いものが対象になっています。

もう一つが高等職業訓練促進給付金です。これは、養成機関において1年以上のカリキュラムを修業し、対象資格の取得が見込まれる場合に受けられます。看護師や介護福祉士、保育士、歯科衛生士、理学療法士が対象で、自立支援教育訓練給付金よりもさらに専門的なものが対象になっています。住民税非課税世帯ならば月額10万円、住民税課税世帯ならば月額7万500円の支援が受けられます。

また、高等学校卒業程度認定試験合格支援事業の一貫として、高卒の資格を持っていないひとり親家庭の親は、高卒認定試験の講座を終了した時点で受講費用の2割(上限10万円)、合格した場合は4割(上限15万円)の支給が受けられます。

母子家庭の母親にとって安定した職に付くことは子どもを養う上では重要になってきます。そのための学びに関する支援も充実しています。

その他、自治体によっては様々な優遇制度も

以上のように、大まかにシングルマザーが受けられる支援制度を紹介してきましたが、その他にも、自治体によってはさまざまな優遇制度があります。

例えば児童扶養手当受給世帯に対し、通勤定期の割引を適用したり、民間住宅のあっせんをする自治体もあります。特に相談窓口を設けている自治体もあるので、どのような控除が受けられるか、相談して確認してみるのもおすすめです。

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