出産退職時の失業給付の手続き方法が変わったこと、知っていますか?

(写真=Tomsickova Tatyana/Shutterstock.com)

出産を機に仕事を一度辞める女性がいますが、その場合、退職手続きと出産に伴う手続きが重なって煩雑になりがちです。出産の手続きを出産後にしようと思っても、手続きの時間が確保できないこともしばしばあります。また必要な手続きはその種類によって申請方法・申請先・期限などが異なるので注意が必要です。ここでは出産退職で必要な手続き全般をまとめつつ、最近変更になった出産退職時の失業給付金に関する手続き方法をご説明します。

出産退職で必要な手続きは?

まず知っておきたいのが「出産手当金」です。出産手当金とは出産で仕事を休み、その間に給与を受け取らない場合に産前42日から産後56日の範囲内で日額3分の2相当が支給される制度です。勤務先の健康保険に加入していて、保険料を支払っている人が対象になります。

退職する場合でも「1年以上継続して保険を支払っている」「出産日から42日以内に退職している」「退職日に仕事についていない」などの条件を満たせば受け取れます。

続いて確定申告も大切です。通常会社員の場合、所得税は会社があらかじめ想定した税金の額を計算して毎月の給料等から差し引きます。これが「源泉徴収」で、支払いすぎた分の所得税は年末調整で戻ってきます。

しかし、年の途中で退職した人は年末調整を受けることができないので、確定申告を行って納めすぎた所得税を取り戻す必要があります。

出産後すぐに失業給付はもらえない

そしてもう一つ大切なのが失業給付です。失業給付とは会社を退職し、引き続き働く意志のある人をサポートする制度です。

「働く意志があり、いつでも就職できる健康状態・環境が整っている」「雇用保険に加入していること」「退職日以前の1年間に働いていた日数が14日以上ある月が通算して6ヵ月以上あること」が受給の条件で、なおかつ退職日の翌日から1年間で受給を終えなければなりません。

そのため、出産や育児ですぐには就職できない場合「いつでも就職できる健康状態・環境」という条件から外れ、失業給付を受け取ることができません。そこで必要になるのが「受給期間の延長申請」です。この手続を行えば、受給期間を最長4年間延長することができます。

手続きの流れとしては、まず退職の翌日から30日経過後4年以内にハローワークで失業給付の延長手続きをします。そして退職日から4年以内に就職活動を開始し、失業給付の受給を申請すれば、ハローワークで失業認定を得た日の2週間後から給付を受けることができます。このように失業給付の延長手続きをすることで、出産退職をした場合でも失業給付金がもらえます。

以前は退職日の翌日から30日を過ぎてから1ヵ月以内に申請しなければ延長できませんでした。産後の体調が悪いなどの事情でハローワークに行くことができなかったり、代理人による申請の場合は委任状が必要で手配に時間がかかるため、申請時期を逃してしまうケースがあったのです。

失業給付延長の手続きが変更に

しかし失業給付の延長手続きについて、平成29年4月より制度が改正されました。これにより、退職日の翌日の30日後から延長された受給期間の最終日まで申請が可能になり、すぐに申請することができない人でも申請がしやすくなりました。

また制度改正以前に申請期限を過ぎていて延長が認可されなかった人でも、再申請をすることで延長できることがあります。ただし、失業給付では「所定給付日数」という受給可能な日数が勤務年数などによってあらかじめ決まっています。申請期間内であっても申請が遅い場合、受給期間の延長をしても所定給付日数の全てについては受給できないこともあります。ですから、期間に余裕が出たからといって後回しにせず、早めに申請を済ませ、確実に給付金を受け取れるようにしましょう。

出産・退職にまつわるお金は所定の手続きをしなければもらえません。ですから自分がどのような制度を利用できるのか、どのような流れで申請をするのか、退職前に勤務先からもらっておくべき書類がないか等、確認しておく必要があります。出産してから慌てることのないよう「もらえるお金」についてきちんと把握しておくことが大切です。

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