結婚式資金を親から一括贈与してもらうってどういうこと?

(写真=Sergiy Zavgorodny/Shutterstock.com)

結婚式は自分たちのためにはもちろんのこと、家族や友人も目一杯もてなして、一生の思い出にしたいものです。しかし結婚式にはお金がかかります。そこで親からまとまったお金を援助してもらうケースもあるでしょう。今回は結婚式にかかるお金と、結婚資金の一括贈与による非課税制度などについて説明します。

結婚資金についてしっかり考えてる?意外と大きい結婚費用

そもそも一般的に結婚費用はどのくらいかかるのでしょうか。「ゼクシィ 結婚トレンド調査2017調べ」によると、挙式・披露宴・披露パーティの総額は平均354.8万円です。内訳は挙式料・料理代・新郎新婦の衣装・お土産代・写真代・会場装花代などがメインとなっています。自分たちが満足し、ゲストにも満足して帰ってもらう結婚式のためには、ある程度まとまった金額が必要だと分かります。

これらの結婚式費用は全て自分たちで出すのではなく、ご祝儀代や親からの援助で補う場合が一般的でしょう。挙式関連の親や祖父母などの親族からの補助額は、同じく「ゼクシィ 結婚トレンド調査2017調べ」によると平均160.5万円です。おおよそ半分程度が補助されていることになります。

多額のお金を貰うとなると、気になるのが「贈与税がかかるのか?」ということです。贈与税はもらった財産が年間110万円までであればかかりません。それ以上の額であっても、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から、生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」の場合は、贈与税の課税対象にはなりません。

結婚式費用である程度まとまったお金を親から貰った人から、贈与税がかかったという話をあまり聞かないのは、こういった理由からです。

一方で、まとまった資金を一括で親から子どもに渡す場合に、贈与税の優遇が受けられて相続税対策にもなる「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」という制度があります。

子育て資金一括贈与の仕組みとは?

この「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」とは、両親や祖父母の資産を早期に移転することで、若者世代が結婚や出産を思い留める原因になっている経済的不安を取り除くために創設された制度で、2015年4月に開始しました。

具体的には、祖父母や父母が20歳以上50歳未満の子・孫に結婚・子育て資金として生前贈与する場合、1,000万円まで非課税とする制度(ただし、結婚資金の上限は300万円まで)です。

この制度に注目する理由として、2015年からの相続税増税があります。2015年以前は基礎控除が「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でしたが、2015年以降は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に変更されたのです。

例えば妻1人子ども2人の場合、2015年以前は「5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円」が基礎控除の対象になっていましたが、2015年以降は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」となり、3,200万円分基礎控除が減ったということです。

つまり、従来は相続税を払わずに済んだ人でも、2015年以降は相続税を支払わなければならなくなった人もいるということです。そのため、結婚や子育て資金として、親から子どもにまとまった資産を一括で贈与を検討するのもひとつの手といえるでしょう。そこで活用できるのが「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」による生前贈与というわけです。

具体的な利用方法は?

この制度の利用方法はシンプルです。まず祖父母や父母(贈与者)は、20歳以上50歳未満の子・孫(受贈者)名義の金融機関の口座などに、資金を1,000万円まで一括して拠出します。そしてこれを受贈者が利用し、使途の確認に関しては領収書を取っておけば、金融機関がそれをチェックし書類を保管しておいてくれるのです。

なお、子や孫が50歳に達する日にこの口座は終了し、終了時に使い残しがあれば、そこに贈与税が課税されます。また、終了前に贈与者が死亡した際に使い残しがあれば、これには相続税がかかります。

最後に

結婚時にまとまったお金をもらう際、贈与税のことは基本的に気にする必要はありません。一方で、親が相続税のことで頭を悩ませているのであれば、結婚式の費用について話す際に「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の制度利用の検討をしてみるのも一考でしょう。

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