私は受けられる?妊娠・出産を機に退職する前に知っておくべき「失業給付」

(写真=Dominik Bruhn/Shutterstock.com)

産前・産後休暇や育児休暇などの制度を整える企業が増える一方で、子育てに専念したい、保育園などになかなか子どもを預けられないなどの理由から、妊娠・出産のタイミングで退職を選択する人もいるのではないでしょうか。

その際に確認しておきたいのが「失業給付」です。2017年4月1日から失業給付の受給期間延長の申請期限が変更になり、出産後に再就職を目指す女性には追い風となっています。そこで今回は、妊娠や出産による退職時の失業給付や制度変更について解説しましょう。

そもそも失業給付とは?

まずは失業給付とはどのようなものなのかを考えてみましょう。失業給付は以下の3つの条件を満たしている人が、雇用保険被保険者離職票をハローワークに提出することで、受給の資格を得ることができます。

【失業給付を受給する資格を得る条件】
・ 離職日以前の2年間に失業保険の被保険者期間が12ヵ月以上ある
・ 本人に就職する意思、能力がある
・ 積極的な求職活動を行っている

【失業給付を受けるための手続き】
1.受給説明会に出席
2.求職活動を行う
3.就職に失敗した場合申請し失業認定をもらう
4.手当を受け取る

なお、一度受給したあとは4週間に一度失業認定を行い、手当を受けることができます。また、失業給付は1年までとなっており、受給金額や受給できる日数は、離職理由や前職の給与などによって変わります。

妊娠・出産を機に退職した人は上記【失業給付を受けるための手続き 2】の求職活動が行えないため、「求職活動を行っている」という失業給付を受け取る条件を満たしていません。そのため、このままでは失業給付を受けることができないのです。

それでは妊娠・出産で退職する人で、出産後に再就職のために失業給付を受けたい場合はどのようにすればいいのでしょうか。そこで必要なのが、今回紹介する「失業給付の受給期間の延長申請」です。

失業給付の受給期間延長ってどういうこと?

失業給付の受給期間の延長は、上記で述べたような失業給付を受けられる「資格」を持っている期間を延長することです。妊娠・出産で退職した人は、ハローワークに失業給付の受給期間の延長申請をすることで、育児が落ち着いたあとや子どもを預ける準備が整ったあとで再就職の活動を行い、その求職活動中に失業給付を受け取ることができます。

この受給期間は最長で3年間延長できます。通常であれば1年の受給期間が設定されているので、妊娠・出産で退職した人は、申請をすれば4年間は失業給付を受けられる「資格」を持つことになるのです。

たとえば、妊娠や出産で退職をしたあとに延長を申請すれば、退職してから3年後であっても、失業給付の申請を行い、説明会に出て求職活動後に失業認定を受ければ、失業給付を受け取れることになります。ただし、失業給付の「資格」を有する期間が延びるだけなので、失業給付を受けられる日数が増えるわけではありません。

失業給付の受給期間延長申請のポイント

以前は、失業給付の受給期間の延長をしたいときは、離職日の翌日の30日後から1ヵ月の間にハローワークへ申請しなければなりませんでした。しかし、この申請期限が2017年4月1日からは変更になっています。具体的には離職日翌日の30日後から最長4年までの受給期間内までの申請ができるようになりました。

したがって、妊娠・出産で退職した人は申請をしなくても4年まで失業給付の「資格」を有するので、育児などが落ち着き次第申請を行えば、失業給付を受けとることができます。妊娠中に離職した人なら最長で4年まで延長できるので、子どもが保育園に入る頃に就職する予定を立てているのであれば、失業手当を受け取りながら職探しができるというわけです。


※厚生労働省HPを参考に作成

ただし、失業手当の受給には注意点があります。それは、失業給付では勤務年数などによって失業給付の受給可能な日数が決まっていることです。いくら申請期限内とはいっても、受給期間の延長申請をするのが遅くなった場合には、所定給付日数のすべてを受給できずに打ち切られるおそれもあります。

上記の図で説明しましょう。たとえば6ヵ月分失業手当を受け取れなかった期間があると、受給期間満了日の3ヵ月前に期間延長の申請を行っても、残っている3ヵ月の間にすべての給付を受給できない可能性があります。そのため、給付日数分満額を受給するためには、逆算して早めに申請を行うようにしましょう。

申請には受給期間延長申請書(ハローワークか郵送でもらう)や離職票、受給期間延長申請書、延長理由を証明する書類、印鑑などが必要です。わからない点があれば事前に電話などでハローワークに問い合わせをしておくと安心です。

妊娠・出産後の生活を考えて、失業給付の活用を

このように、以前に比べれば失業給付を受ける条件は緩和されています。そのため、妊娠や出産後に夫婦共働きを検討するのであれば、制度をよく理解し、早めに失業給付の申請を行うことが大切です。制度を知っている・知らないでは大きな違いがありますので、失業給付についてもっとよく知りたいと思うのであれば、インターネットを利用したり、ご自身の住む地域のハローワークに問い合わるなど、積極的に情報収集を行うと良いでしょう。

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