社会保険のことを考えたら……4、5、6月は残業しないほうが良いってホント?

(写真=Elnur/Shutterstock.com)

せっかく頑張って働いても、毎月の給料から差し引かれてしまう社会保険料。どうせならできるだけ安く抑えたいものです。実はこの保険料の金額は毎月の給与額から決められているものではありません。標準報酬月額を毎年4~6月の3ヵ月の給与の平均から算出して、それをもとに1年分の保険料を決めているのです。

つまり、毎月の月給とは関係なく、固定で1年間差し引かれているのです。となると、この3ヵ月間に頑張って残業をしてしまい、この月の給与が他と比べて高くなってしまった場合、保険料が割高になることが懸念されます。ここでは社会保険とはなにかを紹介するとともに、本当にその期間は残業しないほうが良いのかについて解説します。

そもそも給与からは何が引かれている?

給与明細には、まず基本給や残業による時間外手当、役職手当、通勤手当などを含めた「総支払額」の記載があります。別の欄には健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険料、さらに所得税や住民税などを合計した「総控除額」が記載されており、その総支給額から総控除額を引いた額として「差し引き支給額」、つまり手取り額が載っています(項目名は会社によって多少違います)。

給与明細を見ると、かなりの金額が控除額として引かれていることがわかるはずです。それをカバーして手取り額を少しでも増やそうと思えば、すぐ思い浮かぶのは残業による時間外手当を得ることです。しかし、実は残業によって増えてしまうものがあります。それが「社会保険料」です。

給与から差し引かれる「社会保険料」とは?

社会保険とは国で強制的に加入する5つの保険の総称で、さまざまなリスクが考慮されており、私たちの最低限の暮らしを守ってくれます。その5つの保険とは、健康保険・介護保険・年金保険・雇用保険・労災保険です。

なお、労災保険は会社が加入しているため個人負担はなく、介護保険も加入するのは40歳からなので39歳までの個人負担はありません。つまり、39歳以下の会社員は健康保険・年金保険(厚生年金)・雇用保険の3つが給与から差し引かれていることになります。

この中で、健康保険と年金保険(厚生年金)は給与額をもとに算出され、1年間固定で差し引かれます。しかし給与額は毎月変動しますので、働く人たち全員の分を計算するのは難しいのです。そこで、たとえば健康保険なら、標準報酬月額として基準となる給与額を約50段階に設定し、それに当てはめることで保険料の計算を行う方法となっています。

給与額は昇給などで変わるので、この標準報酬月額は毎年改定されます。ここで改定するときに基準となるのが4~6月の3ヵ月分の額面給料の平均額。ここで決定された標準報酬月額はその年の9月1日から翌年の8月31日まで1年間有効で、よほど大きな変更がない限り改定されることはありません。

つまり、たまたま4・5・6月にかなり残業して、給与が上がってしまった、ということになると標準報酬月額も上がり、徴収される保険料も上がってしまうというわけです。

また、それ以外の月にあまり残業しなかったとなると、給与額は減るにもかかわらず、基準の標準報酬月額はそのままのため、後の保険料が高く差し引かれて、支払い額が多く苦しいと感じてしまうケースも起こります。ですから、この点を少し意識しておくと社会保険料が抑えられるのです。

通勤費を抑えるのも社会保険料を安くするコツ!

また他にも社会保険料を安くする裏ワザとして、会社の近くに住むことで通勤費を抑えるというものもあります。実は通勤費も社会保険料の算出対象になるため、給料が同じ人でも通勤手当の額が低ければ負担する保険料も低くなります。毎月の交通費が1万円の人と4万円の人では約5,500円の差が生まれることもあります(基本給30万円の場合)。会社の近くに住むことで保険料が安くなるというのは意外と知られていないメリットです。

4月から6月の給与で社会保険料がきまる!

4月・5月・6月の3ヵ月間の給与を基に社会保険料が決まることから、やはりこの期間の残業はできるだけ抑えたほうがいいという考え方がある一方、将来の年金受給においては、社会保険の負担が少なければ、その分、厚生年金の額が少なくなるという側面もあります。よって単純に現在のことだけ考えるのではなく、将来のことも考慮に入れて判断する必要があるといえるでしょう。

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