年収800万円と1,000万円の彼 どっちのほうがリッチな暮らしをしているの?

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(写真=PORTRAIT IMAGES ASIA BY NONWARIT/Shutterstock.com)

国税庁の「民間給与実態統計調査結果」によると、2016年現在の男性給与所得者(正規雇用)の平均年収は、521万円です。たとえば、パートナーに選ぶことを考えてみましょう。年収800万円の彼と年収1,000万円の彼がいたとしたら、どちらの彼の方がよいのでしょうか。年収が多いほうがよいと思うかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか。そこで、30歳代の会社員を想定して、手取り金額や生活について一緒に考えてみましょう。

年収800万円と年収1,000万円の手取り金額はどうなるの?

年収から社会保険料や所得税・住民税を引いた残りの金額が、生活費などに使える手取り金額です。収入は給与収入のみとし、給与収入から給与所得控除額を控除した後の給与所得から、所得控除として基礎控除38万円と社会保険料控除の額(社会保険料合計額)を引いた後の課税所得金額に所得税率と住民税率10%を乗じて、それぞれの手取り額を算出してみました(実際には算出の基礎となる金額は標準報酬月額であったり給与賃金であったりするため、この算出方法には誤差があります)。

表1

手取り金額は、それぞれ約590万円と約720万円という結果になりました。年収では200万円も差があったのに、手取りになると約130万円の差になります。これは、収入の多い人ほど社会保険料や税金が高くなる仕組みのためです。

年収800万円の人はどんな生活をしているの?

年収800万円の人の手取り金額は約590万円でした。仮に、毎月の手取り額は40万円、残りの110万円はボーナスで受け取るという前提で、彼らがどのような生活をしているのかを考えてみましょう。

●住まい

日本銀行が発表した2016年分の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)」によると(以下同じ)、年収800万円の人の場合、住まいの内訳は以下の円グラフの通りです。これを見ると、相続や贈与以外の約94%の人が、毎月住宅ローンを返済したり、家賃を負担したりしていることが推測できます。家賃や住宅ローンの返済額を毎月の手取り40万円の35%とすると、毎月の負担は14万円ほどになります。年間に直すと約168万円です。

表2
日本銀行の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)2016年分調査より作成

●貯蓄

年収800万円の人の約30%(最多割合)が、年間手取り額の35%以上を貯蓄しています。年間手取り額約590万円の場合、約206万5,000円以上を貯蓄していることになります。

●生活

年間手取り額約590万円から住宅に関する年間概算費用約168万円と年間貯蓄額約207万円を差し引くと、残りは約215万円です。家賃を除いた毎月の生活費や約18万円ということになります。

年収1,000万円の男性の生活

年収1,000万円の人の手取り金額は約720万円でした。仮に毎月の手取りを48万円、残りの144万円はボーナスで受け取るという前提で考えてみましょう。

●住まい

年収が1,000万円の人の場合、住まいの内訳は以下の円グラフの通りです。住宅ローンや家賃を先ほどと同じように算出すると、毎月の負担は約17万円となり、年間に直すと約202万円となります。ですが、住宅ローンや家賃を負担していると推測できるのは、自分自身が購入した家屋やマンション・民間の賃貸・公団公営の賃貸を利用している約70%と推測できます。家賃負担がほとんどなく生活している人が30%に上ることは特筆すべきことでしょう。

表3
日本銀行の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成28年)」より作成

●貯蓄

年収1,000万円の人の約38%(最多割合)が、年間手取り額の35%以上を貯蓄しています。年間手取り額720万円の場合、252万円以上を貯蓄していることになります。

●生活

年間手取り額720万円から住宅に関する年間概算費用202万円と年間貯蓄額約252万円を差し引くと、残りは266万円です。家賃を除いた毎月の生活費や約22万円ということになります。

毎月の生活費から見ると……

毎月の生活費を比較すると、年収800万円の人は約18万円、年収1,000万円の人は約22万円となり、4万円の差が出ます。ですが、年収1,000万円の人の約30%は、住宅費をほとんど負担していない可能性があります。その場合、生活費はもっと大きくなるでしょう。

2020年の税制改正の影響は?

2020年より基礎控除が38万円から48万円になり、給与所得控除額は今までより10万円減額されます(年収850万円を超えると控除額が一律195万円)。冒頭の手取り金額の表を2020年以降の場合として計算し直してみました。

表4

年収800万円の人は基礎控除の増額分と給与所得控除の減額分が同じなので税額の変更がなく、手取り金額が変わりません。年収1,000万円の人は増税となるため、現状より4万5,000円減ることが分かります。住宅費を負担していない場合を除くと、現状では毎月の生活費が4万円の差だったのに対し、約3万6,000円の差となります。

結局どちらのほうがリッチな暮らしをしているの?

毎月の生活費は3万~4万円ほどの差です。彼女として一緒に遊ぶのには、彼氏の財布事情に左右されると考えるべきかもしれません。一方で結婚を見据えた場合、貯蓄が多く、家賃の高い1,000万円彼氏を選んだほうがお金だけを考えた場合はいいかもしれませんが、増税対策などの知恵がないと、手取りが減っていく可能性があります。そのため、1,000万円が収入面で上回っていない可能性もあります。

しかし、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」やふるさと納税、特定支出控除など、節税する手段はあります。特にiDeCoは、掛け金が全額所得控除の対象となりますし、運用益が非課税で、受取時の課税も抑えられるようになっている点は大きなメリットです。このような制度を活用することで、自由になるお金が増えます。つまり、彼の金銭感覚やマネーリテラシー次第で変わるのです。どちらがリッチかを考えるには、マネーリテラシーをどれくらい持っているかでも左右されるといえるでしょう。

もし、お金に対して無頓着な彼だったら、一緒にマネーリテラシーを養えるような会話をふやすのもよいかもしれません。

>>イデコについてもっと詳しく知りたい方はこちら

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